初めて犬を飼う人に贈るノンフィクション童話【犬をかうということー6/8】

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ドッグフード
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食事と歯みがき

 強く、たくましく、と思って つけた、フォルテという名前。

 名前どおり、大きく、というか 太く、育った。

 動物病院に行くと、しん察で のせる台は、体重計に なっている。「また増えていますね。」ダイエットが必要な自分の身体と重なり、ちょっと はずかしくなる。「気をつけます。」 

 初めて、動物病院に連れて行った時は、やせっぽちすぎて、「もう少し、体重ふえると いいですね。」と言われたのが、うそのよう。今は、おなかや おち〇ち〇が ゆかに つきそうだし、両耳を手で かくすと、アザラシそっくりだし。

 かい始めて しばらく たった頃、ざっしで、「ペットフードは、高温でも くさらない。」と読んで、びっくりした。栄養バランスは たしかに考えてあるのだと思う。犬友達何人かに、何をあたえているか聞いたら、ささみや牛肉、リンゴ、キャベツなど、ペットフード以外の物も あたえていた。娘が、「タンパクしつは人間の4倍、カルシウムなどのミネラル類は10倍も必要なのに、塩分は人間の3分の1から5分の1、野菜類は あまり重要でないこと、ネギや ほねのささる魚や とり肉の ほねは あたえてはダメなこと」などを調べた。うちは、きほん、ささみとペットフードを半々に、あとは、ほんのちょっぴりの野菜をプラスすることにした。パパが、「あれ、フォルだけ、食事に緑の物があるぞ。おれ達には 無いのに。」なんて 言う日も あった。だって、フォルテは、スナップエンドウでも 一本で いいんだもの。

 フォルテは、食事の時、自分の分を アッという間に食べ終わると、私の下に やってきて、ひたすら見つめ続ける。「フォルは おデブだからダメよ。」と言いながらも根負けして、「1つだけよ。」と、ほんの一口、塩分の少ない物をあげて、「おしまい。」「ないない。」と言うと、次は むすめの下に。次は息子の下に。最後にパパの下に。食べる種類も だんだん ふえて、かぼちゃ、じゃがいも、魚、焼き肉(塩を使わず、お湯で ゆすいで)、プリン、チーズ…。フォルテは、人間の牛にゅうも お腹をこわさなかったので、さかずきに1ぱい分位、やることが あった。

 みんなフォルテに あますぎ。

 パパなんて、自分がアイスクリームを食べたい時、「フォル、アイス食べたいよな。」なんて、フォルテを利用している。

 足の つけ根をいたがった時、牛すじが いいと聞いた。牛すじを 4時間 にた物を 2つぶ位、2、3日やると、治っていた。歩き方が おかしい時も 牛すじの出番だ。友達の犬も、足を引きずっていた時、教えてあげた牛すじで回ふくした。食べ物は大事。

  歯みがきも 大事。フォルテが小さな時、「犬は、虫歯にならない。」と聞いたことがあった。犬用の歯ブラシを口に入れると、すごく おこるので、しなくなっていた。歯みがきこう果があるという犬用の食べるガムは あげていた。たしかに虫歯には ならなかった。でも、歯しゅう病になることを 後で知った。歯の色が変わり、歯石も ついていることが わかり、じゅう医さんに相談した。

 「歯石を取った方が いいのですが、犬は、全身ますいをして、取ります。フォルテ君は、心ぞうが悪いので、むずかしいですね。」

と言われた。

 そう、フォルテは、小さな時から、心ぞうが悪かった。最初からなのかもしれないし、小さな時、まだ赤ちゃんなのに、犬は散歩するものと、思いこんで、一度、長く歩かせてしまったのが原因かもしれなかった。小がた犬の じゅ命は、14、5年。心ぞうが悪いから、長く生きられないかもしれない。そう思うと、みんななお、フォルテに あまあまに なった。

 歯みがきも、トイレトレーニングと同じように、少しずつ、少しずつ。歯ブラシはイヤがるので、指にシートをまいて、口の中に入れ、歯をゴシゴシ。イヤそうに、鼻をかた側だけ、ピクリと ひきつらせる。チーズで つって、おそるおそる 歯みがきした。歯みがきの後にチーズなんて、ぜっ対に おかしいのは わかっている。でも、ひと口丸のみだから、いっか。これも あまあま。

 

 

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